STREET DOGMA by MC MAMUSHI
STREET DOGMA by MC MAMUSHI
DATE : January 08, 2010
ストリートボールが認知されつつある実感をにわかに感じている。興行としてのストリートボールが日本でも段々と定着してきているせいか、市民権を得た感触を覚える瞬間も少なくない。とは言っても、まだまだ多くもないんだけど。スケーターやダンサーにカリスマやヒーロー、フロントマンやアイコンがいるように、このストリートボール界にもそういったタレントが増え始めている。広告や電波に露出する機会も増えた。良いことだ。 ただそれもごく僅か、一部のストリートボーラーの話で、それ以外のストリートボーラー、魑魅魍魎、有象無象、とにかく沢山のボーラーがこの日本にも存在する。あるローカルエリアでのみ知られる存在もいれば、まだ誰も彼のことを知らないなんて者もいるだろう。そんな彼らが、モチベーションは様々だろうけど、とにかくALLDAYの敷居の低さに好感を持って(るかどうかすら知らないけど)、大勢参加している現状は日本のストリートボール界にとって非常にかけがいのないものだと感じている。DJがいて、MCがいて、立派な観客スタンドが整備されていても、基本的にはオープン参加のシリアスなトーナメントの姿勢を崩さないALLDAYは、陳腐な物の言い方になるが筋書きのない世界だ。かわいこちゃんに囲まれる有名なアイドルボーラーも、まだ誰も知らない無名なボーラーも、さらには競技バスケットボールの世界で語られる有力なアスリートも一堂に会する希有な機会。国内で唯一、ストリートでオーセンティックな5ON5のゲームが展開されるALLDAYは、エンターテイメントとしての興行には向いていないと思うけど、一番ストリートボールとしての本質が強いプレイグラウンドなのだと思う。演出のない、何でもない世界。雑多な世界。ストリートってそういうところだと思う。
最近聞いた話で(今更な話なのかもしれないけど)、トラックバイク(ピストバイク)の世界で語られるサンフランシスコのMASHのメンバーが、日本の競輪のトップ選手とレースをして勝ってしまったなんていう話がある。聞きかじった程度の話なので、ことの真偽は分からないけど、ALLDAYの旨味もそういうところかと。何でもない世界でシコシコやってる奴が、俗に言うスーパースターをやっつけちゃったりする残酷で甘美な瞬間を見ちゃったら、もう抜け出せないんだなぁ〜。ALLDAYってそういうところです、きっと。