WEST 4TH STREET TOURNAMENT
WEST 4TH STREET TOURNAMENT
DATE : August 11, 2011
ニューヨークのダウンタウン、ウエストビリッチ地区には今年で34年目を迎えるストリートボールの大会がある。それが、The CAGE A.K.A. West 4th Streetである。名前の通り、四方が金網(ケージ)で囲まれている。大会の規模もとても大きく、ユースや女子の部もあるほどだ。その為、ニューヨークの数あるサマートーナメントの中でも一番最初に先陣を切って開幕するのがこの大会。それが大体毎年5月の最後か6月の頭である。
過去にこのコートでプレイをしたNBA選手は数知れず。地元のコミニティーカレッジの選手でも、学校にも様々な事情で行けなかった名もないストリートボーラーでさえもトップリーグ(NBA)の選手と戦うことが出来る。そして一番魅力的な部分は、ニューヨーク出身のNBA選手は皆理解している。一先ずコートに立てばバックグラウンドは関係無いことを。名もなきニューヨークのボーラー達は誰しもが一旗揚げようとギラついているのである。そして気を抜けばその可能性があることをトップリーグの選手は知っているのだ。
スポンサーにはALLDAYと同じくナイキ社が付いている。ニューヨークのボーラーならば誰しもが出たい大会の一つと言って過言ではない。みんなこの大会のユニホームに袖を通し、この名誉ある大会のコートに立ちプレイすることを欲している。その為、毎試合観客でコート周辺は埋め尽くされる。ニューヨークの大会の中でも一番と言って良いほど治安も良いところにある為、一つの観光名所にもなっているのも観客が多い理由の一つとして挙げていいだろう。
しかし難点と言って良いのだろうか?とてもコートが小さく、フロアも平らではない。代々木プレイグラウンドに比べたら決して素晴らしいコートとは言えないだろう。筆者は以前にこの大会の主催者である、ケニー・グラハム氏にこう尋ねたことがある。「このぐらい大会の規模が大きくなってきて、コートを代える気になったことはないのか?」と。彼はこう答えた。「コートを代えることは、West 4thの歴史を変えることになってしまう。観客達はもう既にこの小さなコートで大きい男達が激しくぶつかり合いながら行われる部分を期待しているところもあるから。だから一切場所を移動する気はない。」
長い年月を経て、短所を逆に長所として活かしているのがここThe CAGEなのだろう。
by : Banri "BANG LEE" Takenouchi