FEATURED | Alternate History Vol.1

Alternate History Vol.1
 DATE : March 13, 2009

この文章は2005年10月に発行されたフリーペーパー「ALLDAY MAGAZINE Vol.2」に掲載されたものに加筆した文章です。


1990年代、日本が空前の“ストバスブーム”にすっぽりとはまり込んだあの時代を知るストリート・レジェンドたちが、夜な夜な当時を回想しているというファミレスに潜入した。瞬く間に燃え上がり、そして消えていった日本のストバスブームの輪郭をなぞる連載「ALT.H.(Alternate History)」の第1弾。


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A:あっ、オレ、アイスティーで。ガムシロミルクで。あの頃…、凄かったね、ホントに。 スゲー奴沢山いたね。今よりいっぱいいたよ。

E:今名前が通ってる奴なんて、当時みんなストリートにいたよ。カジヤマ*1とか、ミナミヤマ*2とか。カジヤマはスズキジュンとナンセンスってチーム組んでな。

G:それにリンタロウ勝ってるよ。MORE IN THE HOUSEで。

E:ストリートで一番最初っていったら…、やっぱ“SBC”って大会が初めかな。“オーバーヒート”ってレゲエの会社が主催しててさ。当時からガンガンレゲエかけてな。

A:そうだねー、その前は“ROCKERS”が一番最初にストバス始めたぐらいだし。“元気が出るテレビ”もたしか同じ頃だよね。

E:そうそう、同時期ぐらい。で、当時はその元気が出るテレビが“3ON3”やったり、“BTアイスマンズ”なんてプロチーム作ったり。その影響で色んなスポーツメーカーが3ON3大会開いてさ。

G:あと、ユーイングCUPなんてのもあったな。

E:それと原宿にストリートコートがあったよね。

A:あー、あったねぇ!!

E:たしか期間限定で2年間、今でいう明治通りと竹下通りのつながってる辺りに、NIKEがお金かけて建物建てて、1階が金網なんだよな、窓も無くて。

A:その中に3ON3のコート(NIKE HOOP-TOWN)があってね。

E:建物の中にはショップとかも入ってたしね。

K:すげーことやってたよなぁ、昔は。

E:そのNIKEのコートは結構話題にはなってたよ、色んな撮影とかでも使われてたし。そこも毎月大会を開いてたな。

A:それが93年だからね。もう10年以上前だよ。

K:第1次ってホントこの時ですよね、日本のストリートの……。

E:で、この辺りからSBCが冠にMXTVをつけて“MX CUP”になるんだよな。それで毎週テレビ番組をやって。

A:“ストバスフリーク”っていうやつな。

E:たぶん開設と同時じゃないかな、MXTVの。

G:そうそうそう。

E:毎月大会やって、それを毎週放送してたよね、ダイジェストに分けてさ。

G:オレらもよく出てましたもんね、「ストバス、フリークっ!!」って。

E:あと、ここら辺で“愛ラブSMAP”でSMAPが3ON3やってた。

G:んー!! テレ東で。たしかこのとき“シュウさん”が…。

E:あのときのストバスのMCといえば全部シュウさんだったよね、SBCもシュウさん。あと、6チャンネルの深夜番組でもストバスやってたな、としまえんで。半年か1年ぐらい続いたんじゃない。ホント、3ON3が認められてた時代だな。

A:あとNHKも大会やってたよ。すごいよね。しかも、スポンサーはみんな銀行だし。

K:すごかったですよね、アレ。なんだったんだろう。みんな遊んでたんでしょうね。

A:そんなんだよな、バブルだからさ、時代は。あんときオレらも運営とかやってればな、儲かったのに。

E:あと、ストリートの雑誌が3ヶ月に1回とかのスパンで出てた。それがたしか、4回ぐらい続いたかな。どんどん自然となくなってっちゃったけど…。ちょうどいい感じにこの頃がエア・ジョーダンブームで、バッシュが流行った頃なんだよ。スニーカーブームとストバスブームがうまくリンク出来てた。インターネットなんてないからさ、みんな情報が欲しくて雑誌買ってたよ、ストバス雑誌。時代がうまくはまってたんだ、金もあったし。

A:オレなんか靴から入ったからね。

E:そんで、こんぐらいからどんどんどんどんと、減ってくる。過渡期だね。何年ぐらいの話?

A:97年ぐらいじゃない。たぶん、スラムダンクが終わってとかだよ。

E:NIKEとかはまだ何とか年1ぐらいでは3ON3やってて、この頃“モリ”とかが出てきたんだよ。

A:国際展示場とかでな、アフロのヅラ被って出たよな、準決勝とか。

E:ずれちゃうっていう。

A:オレ。やりづらくてすぐ投げたもん。

E:アフロコールが起きたりして。

K:そんで、もう次は“B-BOY PARK”とかですかね。

A:そうね、あと“ヨコスカ”もずっとやってたな。

E:そうだよねぇ……。でも何でだろ。2000年ぐらいにぱったりなくなったんだよな……。

Vol.2へつづく


*1:梶山信吾(カジヤマシンゴ)。現在、JBLスーパーリーグ三菱電機に所属し、男子日本代表選手のSG。29歳。
*2:南山真(ミナミヤママコト)。1999~2000年シーズンまでバスケットボール男子日本リーグのいすゞ自動車に所属し、全日本代表選手としても活躍。バスケットボール日本リーグ機構(JBL)で3人目のプロ登録選手であった。
*3:鈴木淳(スズキジュン)。日本大学バスケットボール部を経て、現在、神奈川最強のクラブチーム“ZERO”に所属。ALLDAY10.2には“Team-S”のメンバーとして出場。
*4:当時の日本ストバスシーンの中心にいた“駒沢ROCKERS”。その内の若いメンバーによって構成されたチームのひとつが“MORE IN THE HOUSE”。大会があるごとにROCKERSファームと呼ばれるファミリーから4,5チームが名前を変えて出場していた。
*5:ストリート・バスケットボール・クラッシュ。日本で初めてのストリートバスケットボール大会とされている。主催は“株式会社オーバーヒートコミュニケーション”。毎月さまざまな場所を会場として3ON3大会は開催されていた。大会Tシャツや結果冊子なども展開されていた。
*6:日本で一番初めにストバスを始めたとされる伝説のストリートバスケットボール・クルー。今なお残るストバスの聖地、“ROCKERSコート”を創ったのも彼ら。ROCKERSが残した功績は今でもシーンのさまざまな部分に生きている。
*7:“天才・たけしの元気が出るテレビ!!”。あらゆる企画がムーブメントを起こし、未だに現在のバラエティーにその要素が生き続けている伝説の番組。その一企画でフューチャーした3ON3がムーブメントの火付けとなる。
*8:SBCがMXCUPに形を変えたのと同時に、MXTVが放送していたストバス専門番組。
*9: テレビ東京系列で放送されたSMAPのレギュラー番組。
*10:森下雄一郎(モリシタユウイチロウ)。ストリートからNBAを目指している男。今現在も、NBA入りを目指し奮闘中。
*11: 渋谷を中心に4日間にわたり開催されたヒップホップの一大イベント。
*12: 横須賀うみかぜ公園コートなどを会場に3ON3大会が開催されていた。米海軍基地の強豪チームなどが参加し、熱戦が繰り広げられていた。


この文章は2005年10月に発行されたフリーペーパー「ALLDAY MAGAZINE Vol.2」に掲載されたものに加筆した文章です。

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